DRAKE R-4C ゼネカバ受信実験

DRAKE R-4CはPri-Mix方式のシングルスーパーを採用していて、Pri-Mix用水晶発振とPTOの出力を混合した信号と受信周波数を混合してIFの5645kHzに変換しています。

フロントエンドにBPFはμ同調を使用しているので背面にある水晶ソケットに水晶を増設すれば受信範囲を拡大することが出来ることはマニュアルにも記載されています。

オプション水晶ソケットにDDSを接続してゼネカバ受信

Crystal Frequency Chartに記載された水晶を入手すれば手っ取り早くゼネカバ受信できるのですが、ちょっと試してみるにはコストと時間がかかりすぎます。
そこでクリスタルの代わりに信号をいれて実験してみました。
信号源は以前作成したAD9850 BCLマーカーを流用します。

ジャンクHC-6Uの水晶振動子を加工してソケットから信号を入れるコネクタを取りつけました。

15番のソケットに差し込みました。

9740kHzの台湾国際放送を受信するにはXTAL切替スイッチを15番、バンドを7MHzに設定します。

Crystal Frequency Chartを参照してDDSの周波数を20.6MHzにセットし、PTOを240kHz付近にセットすると9740kHzの台湾国際放送を受信することが出来ました。

INJ端子にDDSを接続してゼネカバ受信

R-4Cの背面には送信機T-4XCと接続してトランシーブを行うためのINJ端子があり、この端子からはPri-Mix信号が出力されています。

回路図を見るとINJ端子は第一ミキサーに接続されているのでPri-Mix信号の代わりに信号を入れれば受信出来そうです。

まず簡単にINJ端子のインピーダンスと信号レベルを測定したところ、インピーダンスはBPFで同調を取った状態でおおよそ50Ω、信号レベルは0dBmでした。

AD9850単体では信号レベルが足りないので以前実験用に作成したSI5351Aの基板を利用することに。

INJ端子に信号を入れる方式ではXTALスイッチは水晶が入っていない場所にセットし、PTOも使用せずDDSの信号を可変してチューニングを行います。
DDSの周波数は受信周波数にIF周波数5645kHzを足した値に設定します。
今回はプログラムを変更して受信周波数が直読できるようにしました。

試してみると問題無く受信出来ることがわかりました。

日曜日の夜のお約束、KTWRフレンドシップラジオ受信

DRAKE R-4Cで2種類のゼネカバ実験を行いました。
クリスタルソケット注入方式のメリット
・本体のPTOが使えて操作感が変わらない(ビンテージ受信機にはこれ重要)
クリスタルソケット注入方式のデメリット
・PTOの周波数読み取り精度、安定度は改善されない
・周波数の組合せによってはPri-Mix後にスプリアスが増える可能性有り

INJ注入方式のメリット
・周波数安定度、確度ともにDDSのレベルになる
・局発部でミキサーを通さないので変なスプリアスが出ない
INJ注入方式のデメリット
・DDS側のダイヤルで操作するので操作感が味わえない

今さら数十年も前の受信機を使用するわけですから、クリスタルソケット注入方式の方が操作感が同じなので僕は好みでした。
なおどちらの方式でもDDS出力には+0dBm以上の信号レベルが必要でレベルが低いと感度が低下します。

最終的にはSI5351Aの発信器をクリスタルソケット注入方式とINJ注入方式と切り替えて使用できるようにプログラミングしてケースに組み込みたいと思っています。

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